転職回数の多い人は本当にだめなのか?の記事についての感想を元ヘッドハンターが本音で書いてみる。



photo credit: Men at work via photopin (license)



こんにちは。クラリス・キャリア担当のジョシュです。
このブログでは、キャリアアップや転職について、気になるテーマを取り上げてゆきたいと思います。


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今回はこの記事から。




「転職回数の多い人」は本当にダメなの? 現役ヘッドハンターに聞いてみた








この記事の中で、人事コンサルタントが経営者から「あえて転職回数の多い人をとっている」と言われています。


転職回数の多い人は「常に『自分の価値』を意識して働いている人が多い」のだという。価値とは「スキル」とも言える。「自分のスキルに自信がある」ために、転職を繰り返すことができる


さらに、同じ企業にずっと働いている人に対してはその経営者はこうも語ったとのこと。


「その会社の慣習に凝り固まっているし、スキルなんてとっくに陳腐化してます。人脈もないし、どうしようもないです」



それに対して現役ヘッドハンターはこのように語ります。



「外資系も気にしますが、やはり国内内資の方が転職回数にうるさいです。昔と比べたら『ほんの少し』は寛容になったと思いますが、まだまだですね。『辞められると人事の責任になる』というのも、そうした状況が変わらない理由として大きいのではないでしょうか」




◇実際転職回数が多いとどうなのか。



さて、このテーマについて、元ヘッドハンターとしての見解を書いてみたいと思います。


結論から先に言うと、 転職回数が多いのは絶対にNGです。

比較的NGではありません。絶対NGです。

回数が多ければ多いほど、その不利さ加減は天文学的に大きくなります。



転職回数が5回を超えれば、年齢にもよりますが、例えば、サッカーで言えば、中田や本田クラスの実績を出さないと企業は見向きもしてくれないでしょう。



最初の経営者が語った、「転職回数が多い人を敢えてとっている」というのははっきり言って、経営者のかっこつけのリップサービスだと思います。


もしくはほんの少し、そんな変わり者の経営者がいるかもしれませんがが、そんな人に面接で会える可能性こそ天文学的な可能性の低さでしょう。


そんな絵空事に期待を寄せてはいけません。




◇一番の問題は



ただ、経営者はビジョナリストで、ロマンチストなところもあるので、心の中では、転職回数の少ない人を敢えて採用して見たいと思うかもしれません。


ですが、それを阻む壁の存在は、やはりこの記事にも書かれている通りです。


先ほどの「やめられたら人事の責任になる」

この言葉に語り尽くされています。



採用の現場の責任者である人事担当としては、転職回数の多い人を採用することはとても大きなリスクなのです。


当然、その人が活躍せずに退職してしまったら、なんでそんな人を採ったの?ということになります。

それみろ、転職回数の多い人間を採ったからじゃないか、と自分が責められる。

今度は自分のポジションが危なくなってしまうのです。


だから、人事担当者は、「辞めない人」が大好きなのです。


究極のことを言ってしまえば、活躍しなくても、問題さえ起こさなければ、平凡に長く在職してくれることが一番ありがたい。

採用にも教育にも時間はかかる。採用は投資活動です。

短期間で辞められること。それこそが、人事担当者が最もおそれるリスクであり、自分の場所を守るために絶対避けなければいけないことなのです。



だから、経営者がどんなにロマンを持って、転職回数の多い人を採用しようとしても、多くの場合、人事部長とかが難癖をつけてそれを全力で潰すのです。


ヘッドハンター達はそれを十分、理解しています。
人事担当者の心の動きをしっかりとわかっている。


だから、最初から転職回数の多い人を狙わない。よほど、飛びぬけたスキルがあれば別ですが、そんな人は多くない。


ヘッドハンターにとって一番のターゲットは、じっくりと同じ企業でスキルを磨いて、5年や10年のスパンで少しづつキャリアアップする人なのです。




◇じゃあ転職回数の多い人はどうすればいいのか



転職回数の多い人に可能性があるとしたら、前述したように「人事の壁」という大きな障害を乗り越えるしかない。


可能性があるとしたら、トップダウンでリーダシップがあり、理解のある経営者に判断してもらうのが一番です。


もちろん一番の方法は縁故。なんとかツテを探し、経営者に直接アプローチする。


あとは、本当に経営幹部と深い関係のあるヘッドハンターと付き合うことでしょう。


人事部長クラスでなく、直接あなたの魅力を経営者と、出来れば飲みながら語ってくれるヘッドハンターが味方であれば、心強でしょう。


前述したように、ヘッドハンターにとっては転職回数の多いあなたはサポートの難しい人かもしれないですが、まずはそのヘッドハンターが唸るようなアピールポイントをしっかりと売り込むことでしょう。

(ジョシュ)

<自己紹介>
元大手ヘッドハンティング会社勤務。現在クラリスファームのキャリアカウンセラー&コンサルタント。


(ジョシュ)

<自己紹介>
元大手ヘッドハンティング会社勤務。現在クラリスファームのキャリアカウンセラー&コンサルタント。


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