本当に転職市場は改善しているのか?ヘッドハンティング・採用の現状と不安について。



◇株価上昇、でも賃金や採用は?



こんにちは、ヘッドハンティング・転職メディア「クラリス・キャリア」のジョシュです。


日経平均は2万円を突破し、いよいよ景気回復は本格化と騒がれ、安倍首相の参謀、イエール大学の浜田氏は120円の円安を牽制するなど、早くも緩和政策も出口を模索か?などとされている今日このごろですね。

ところが、中小企業の業績や、賃金は上がらず、個人消費は低迷したまま。いったい、本当に日本経済は回復しているのでしょうか?


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株価ほどの実感を感じていない方は多いはず・・。それは、人材市場でも同じように感じることですね。


様々な業界のヘッドハンター達とも話をしていますが、確かに企業の採用意欲は高まって来ているとは言え、あくまで今までが最悪だったデフレの時期を脱出してきたというだけで、そこまで、すべての業種でとにかく労働力が欲しい、人材が欲しいという状況にはなっていません。

東洋経済の「人手不足は本当に深刻な状態なのか?」という記事にもありますが、名目の失業率だけでぜひ、景況感を安易に図らないでいただきたいものです。


好調と言われる業界でも、まだまだ、ヘッドハンティングの際に出すオファーは低めです。
とにかく何でもいい、幾らでも出すから良い人を引っ張って欲しい、というのが好況時の特徴だとしたら、とてもその状況にはなっていません。

とにかく長い間、染み付いた日本や日本企業のデフレマインドは、もはや病気レベルかも知れませんね。これを逃れるには名目の数字だけで判断しては本当に危険です。。

日銀も迂闊に出口のタイミングを間違うと、また反動で不況にまっさかさま・・ということがあると思います。ぜひ、過去の不況脱出の失敗を繰り返さないでいただきたい。

経済の分析はプロにお任せしたいですが、景況感はぜひ、日本全体、中小も、個人も、もちろん人材・労働市場もすべてが上向きを実感出来るようにしっかり対策をお願いしたいものです。



◇そんな中、採用意欲が高いのは



さて、そんな中でも、もうずっと人手が足りないのはIT・インターネット関連の特にエンジニアのポジション。

ネット環境は国境を飛び越え、グローバル化も進む中、ますます良い人材が枯渇しています。

まさに私たちヘッドハンターに依頼の多いジャンルですが、これはもう、国策としてエンジニア育成を急がなければならない状況ですね。

そして、IT関連の営業ポジションも、候補者に比較して、企業の要望が増えて来ました。


エンジニア、営業とも、しっかりとした基本スキルと汎用性の高い多くの経験を積んでおくことが将来のステップにつながることは間違いありません。




◇目に付く30代のキャリアの複雑化



一方、なかなかその他の業種は難しいですね・・。
転職のメインボリュームになる30代の方は、20代のころが不況だったため、能力と比較して実地のスキルが満足に積めていないケースが目に付きます。

働き盛りがまさに失われた世代になってしまっている現状、ほんとうに長い間不況をどうにも出来なかったツケが今後の日本の成長に響いてくる大きな問題になりそうです。

裏を返すと、単純などこで働いていたかのキャリアの判断だけで人の能力を推し量ることが難しくなってきています。


これから本当に労働力が不足するとすれば、30代の方たちの活躍は不可欠。

企業も、私たちヘッドハンターやキャリアカウンセラーも、新しい視点に頭を切り替えていかなければならないのかも知れません。





(ジョシュ)

<自己紹介>
元大手ヘッドハンティング会社勤務。現在クラリスファームのキャリアカウンセラー&コンサルタント。


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